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裸足で踊るナイジェリアのバレエ少年
ナイジェリアのリトル・ダンサー
ナイジェリアの無料バレエ教室
ナイジェリアコーディネーター,ナイジェリア撮影コーディネーター
ナイジェリアの撮影取材コーディネーターのロケ現場からの写真:

この学校は2017年、ナイジェリアの経済首都である、人口2千万人のラゴスの質素な近郊にオープンした。この学校の大半の生徒は質素な家庭環境出身で、学校に来る前はバレエと言う言葉を聞いたこともない子供達だ。ダニエル先生自身はインターネットでダンスを学んだが、惜しみなくダンス教室で教え、現在はプロの高いレベルになっている。ダニエル先生は自分個人の貯金と情熱、意志の力だけでこの学校を創設した。「高価な設備に投資することはできなくとも、新しい世代にこの芸術を発見してもらう可能性だけは持っています」とダニエル先生は語る。ただプロジェクトにはリスクも危険も伴っていた。イスラム教とキリスト教の原理主義者のいる国だからと説明する。「当初はラゴスの通りでバレエを見た近所の人たちがとても懐疑的で、まともなキリスト教徒の踊りではない!と頻繁に言ってきました。」それに対してダニエル先生は「クラッシック・ダンスとは厳しい規律に基づいた教育で、それがこの子達にとって大事なものであることを証明しますから」と答えて来た。数年後の現在、通りでグラン・ジュテやドゥミ・プリエを練習する子供を見て、近所の人たちは相変わらず驚きと物珍しさを隠せないものの、プロジェクトは地域社会の支援と助成を取り付けた。(撮影当時)唯一の男子生徒であるアンソニー・ムメソマ・マドゥ君の母、イフォマ・マドゥはバレエを練習する息子のことを大変誇りに思って見守っている。「素晴らしいわ、本当になんとも言えないわ!息子が踊るのを見てすごく幸せ。」と語る。現在学校の男子生徒は2人になった。
ダニエル先生はいつも、「ご両親が掴めなかったチャンスを無駄にするな!それは単にダンスだけにとどまらない。黒人であることは、時にいろいろな形で差別を受ける場面に遭遇するけど、多くのナイジェリア人が、自分は黒人だから、貧困な中に生まれたからだ、と言う理由をあまりにも信じこんでいるせいで、成功を知ることもチャンスを掴む機会も逃してしまう。子供達に逆境と戦い、自分の夢を実現できることを知って欲しいのです!自分もお手本となれるように努め、何の資金もないところからこの学校を立ち上げたところを見て、自分たちにも可能性はある、と考えて欲しいのです。何もなくても、何もないところから何かを創れる!」と生徒たちに語ります。そして国際的にも認識されるようになった先生は生徒と一緒に、ロンドン、ニューヨーク、ミラノのスカラ座からも招待を受ける今に至ったのだ!